京都両洋高校|4つのコースとキャリア教育
2026/10/08
今回は、京都市中京区にある京都両洋高等学校をご紹介します。
今回の学校説明会には、当塾副代表の田中聡輝先生が参加しました。
この記事では、田中先生が学校説明会で得てきた情報に加え、京都両洋高等学校の公式ホームページ、2027年度学校案内などの公開資料を確認しながら、学校の特徴を整理していきます。
高校受験を目前に控えた中学3年生と保護者の皆さんはもちろん、「京都にはどんな高校があるのだろう」と考え始める中学1・2年生とその保護者の方にも読んでいただければと思います。
1学年400人を超える規模の大きな高校
京都両洋高校を知るうえで、まず押さえておきたいのが学校の規模です。
2025年度は458名、2026年度は456名の新入生が入学しています。近年、1学年400人を超える規模を持つ、京都の私立高校の中でもかなり大きな学校です。
ただし、「大きな学校だから、みんなが同じような教育を受ける」という学校ではありません。
現在はS探究コース、Jキャリアコース、J進学コース、K特進コースという4つのコースを設定し、生徒それぞれの進路目標や高校生活の過ごし方に応じて学びを分けています。2027年度学校案内でも、4コースそれぞれの目的がかなり明確に整理されています。
私はここが京都両洋高校を見るうえで大切なポイントだと思っています。
「高校卒業後は大学へ行きたい」「国公立大学を目指したい」という生徒だけではありません。
まだ将来が決まっていない生徒、専門学校を考えている生徒、資格や職業に興味がある生徒、部活動にも力を入れたい生徒など、高校生の目標は本来さまざまです。
京都両洋高校は、その違いを4つのコースという形で受け止めようとしている学校だと感じます。
4つのコースは何が違うのか
【S探究コース】
「好き」「適性」を見つけながら、大学・専門学校・就職まで幅広い進路を考える
【Jキャリアコース】
大学進学を目指す進学系と、医療・健康、情報・IT、公務員、初等・幼児教育などを意識したキャリアチャレンジ系
【J進学コース】
選抜進学系・英語留学系・進学系で、大学進学と高校生活・部活動の両立を目指す
【K特進コース】
1学年1クラス15人の少人数編成で、国公立大学を中心とした大学進学を目指す
S探究コース 「進路が決まっていない」ことから始められる
私が今回特に興味を持ったのがS探究コースです。
S探究コースでは、まず基礎学力を身につけながら、自分の「好き」や「適性」を探していきます。
学校独自の「Fナビ(Future Navigation)」では、人間力教育、キャリア教育、学び直し、探究学習などを組み合わせています。
2年次の「キャリア探究S」では、5つの探究群・約30の専門分野について大学・短大・専門学校などの先生から学ぶ仕組みがあります。「MY QUESTION」や「INTERN」といった探究プログラムも用意されています。
中学生の段階で「将来の仕事を決めなさい」と言われても、簡単に決められるものではありません。
だからこそ、先に職業を決めさせるのではなく、いろいろな世界を知り、「自分は何に興味があるのか」「どんなことなら頑張れそうなのか」を高校生活の中で探していく。この考え方は、私が今興味を持って学んでいるキャリア教育という視点から見ても非常に興味深い取り組みです。
Jキャリアコース 進学と「仕事」をつなげる
Jキャリアコースは、大学進学を目指す「進学系」と、将来の職業をより具体的に意識する「キャリアチャレンジ系」に分かれています。
キャリアチャレンジ系では、公務員、医療・健康、情報・ITメディア、初等・幼児教育など、将来の職業や分野を意識した学びが用意されています。
また、「キャリア探究JC」では、大学や社会で活躍する人から話を聞いたり、探究活動を行ったりする取り組みも行われています。
実際に京都文教大学 実践社会学科の学生と一緒にフィールドワークも実施されています。
2027年度学校案内を見ると、「何となく大学へ行く」ではなく、その先にどんな仕事や人生があるのかを考えて進路を選ぶという意図がかなりはっきりしています。
J進学コース 大学進学と高校生活を両立
J進学コースは、選抜進学系・英語留学系・進学系の3つに分かれています。国公立大学や関関同立、産近甲龍などを視野に入れながら、一方では部活動や学校生活もしっかり取り組めるようにカリキュラムが組まれています。英語留学系はオールイングリッシュ授業、オンライン英会話、セブ島修学旅行などで英語力を鍛え、英語力で難関有名私大を目指しています。
「勉強だけの高校生活にはしたくない。でも大学進学も諦めたくない」という生徒にとって、一つの選択肢になるコースでしょう。
K特進コース 大規模校の中にある15人の少人数教育
学校全体は1学年400人を超える大規模校ですが、K特進コースは対照的です。
1学年1クラス15人編成を基本とし、7限授業に加えて週4日の進学講座を設定し、国公立大学を目指します。
少人数だからこそ、一人ひとりの学力や志望に合わせて指導しやすいことを特徴としています。
2027年度学校案内でも、7限授業と進学講座による学習時間の確保、個別の受験戦略などが紹介されています。
400人を超える学年規模の学校の中に、15人程度の特進クラスがある。
これも京都両洋高校の面白いところだと思います。
私が注目した「キャリア教育」
京都両洋高校について調べていて、私が一番注目したのは、単に「大学へ何人合格したか」だけではなく、高校3年間で自分自身や将来について考える機会をかなり多く設定していることです。
学校全体では「人として、輝く。」というテーマを掲げ、「自律・尊重・対話・創造」をキーワードに人間力教育を行っています。
その一つが「7つの習慣J®」です。自分で考え、選択し、行動することや、他者との関係を考えることなどを高校生向けに学ぶ教育プログラムです。
そしてS探究の「キャリア探究S」、Jキャリアの「キャリア探究JC」などにつながっていきます。
私には、これは単なる「進路指導」より少し広い取り組みに見えます。
進学先を決める前に、まず自分自身を知る。いろいろな仕事や学問を知る。そして、自分の興味・適性・能力と進路を結びつけていく。
いわば、自己理解と仕事理解を行き来しながら、自分の進路を考えさせる教育です。
高校卒業後の進路だけではなく、その先の社会まで見据えようとしている点は、京都両洋高校を紹介するうえで外せない特徴だと思います。
私立高校を考える際、保護者の方にとって学費は非常に重要です。
京都両洋高校には、現在、学業成績を対象とした奨学生、クラブ活動を対象とした奨学生、入試成績による特別奨学生のほか、兄弟姉妹在籍者奨学金、京都府外入学者奨学生制度、公的な就学支援制度と連動した制度などが設けられています。
さらに、京都府・京都市・大阪府・滋賀県などの公的な奨学制度についても案内されています。
制度の対象条件や給付内容は年度によって変更される可能性がありますので、受験年度の募集要項を必ず確認してください。
ただ、「私立だから学費面で最初から無理」と決めてしまう前に、どの制度が利用できる可能性があるのかまで確認してから判断することは大切だと思います。
幅広い生徒が学ぶ学校だからこそ
京都両洋高校の2027年度学校案内に掲載されている進路を見ると、国公立大学・私立大学だけでなく、専門学校や就職まで幅広い進路があります。
私は「幅広い学力層の生徒がいる」ということを、マイナスには捉えていません。
むしろ重要なのは、入学時の学力だけで生徒を一括りにせず、それぞれに合ったコースや教育を用意して、3年間でどこまで成長させられるかです。
国公立大学を目指す生徒がいる一方で、高校に入ってから基礎学力を立て直す生徒もいる。
大学進学を目指す生徒もいれば、専門的な学びや就職を考える生徒もいる。
それだけ多様な生徒が同じ学校の中で高校生活を送っていることは、1学年400人を超える学校ならではの特徴でもあると思います。
中学生と保護者の皆さんへ
中学3年生が京都両洋高校を検討するときは、単に「京都両洋高校を受験するかどうか」ではなく、どのコースで3年間を過ごすのかまで考えてください。
同じ高校であっても、S探究・Jキャリア・J進学・K特進では学び方も進路の考え方もかなり違います。
そして中学1・2年生の皆さんは、今から志望校を決める必要はありません。
ただ、「高校では何を頑張りたいのか」「大学へ行きたいのか」「まだ将来が分からないのか」「部活動を思い切りやりたいのか」など、自分なりの高校選びの軸を少しずつ考えておくと、学校を見る目が変わってきます。
偏差値だけを見て高校を決めるのではなく、自分がその学校で3年間をどう過ごすのか、その3年間がその先につながっているのか。
京都両洋高校は、そんなことを考えながら見てほしい学校の一つです。
今回、学校説明会に参加してくれた田中先生からの報告と学校の公開資料を確認しながら、私自身も改めて京都両洋高校の教育について整理することができました。
今後も大和塾では、学校名や偏差値だけではなかなか分からない、それぞれの学校の特色をできるだけ分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
※掲載トップ画像は、京都両洋高等学校公式ホームページおよび2027年度学校案内に掲載されている校舎・施設写真を参考に構成しています。


