子どもから「失敗する権利」を奪っていませんか?
2026/09/27
失敗しない子を育てるのではなく、失敗してもまた立ち上がれる子を育てたい。
子どもが自分で考え、選び、行動するためには、ときには失敗する経験も必要です。
大人が先回りして答えを与えるのではなく、「次はどうする?」と一緒に考える。
その積み重ねが、勉強だけでなく、将来自分の人生を自分で選んでいく力につながっていくのだと思います。
~自分で考え、自分で選ぶ力を育てるために~
子どもを大切に思うからこそ、失敗させたくない。
これは親としても、教育に携わる者としても、ごく自然な気持ちだと思います。
危ないことは避けさせたい。
遠回りはさせたくない。
できるだけうまくいく道を選ばせてあげたい。
だから私たち大人は、つい言ってしまいます。
「そっちじゃなくて、こっちにしなさい」
「そのやり方ではうまくいかないよ」
「だから前にも言ったでしょう」
「こうしたら失敗しないから」
もちろん、命に関わることや、人に迷惑をかけること、守るべきルールについては、大人がきちんと教えなければなりません。そこは必要な指導です。
ただ、その一方で私は最近、こんなことをよく考えます。
私たちは、子どもから「失敗する権利」を奪ってしまっていないだろうか。
失敗しないことが、本当に良いことなのか
子どもが失敗しそうになると、止めたくなります。
それは、その子を思っているからです。
けれども、すべてを先回りして失敗を防ぎ続けていると、子どもはどうなるでしょうか。
その場ではうまくいくかもしれません。
怒られずに済むかもしれません。
効率よく前に進めるかもしれません。
でもその代わりに、
自分で考える機会
自分で選ぶ経験
失敗して立て直す経験
「次はどうしよう」と工夫する時間
を失ってしまうことがあります。
つまり、大人がよかれと思って先回りしすぎることで、子どもが本来育てるべき力まで奪ってしまうことがあるのです。
「言われた通りにできる子」と「自分で考えられる子」
教育の現場でも、これはよく感じます。
たとえば勉強でも、
「この問題はこう解く」
「次はこれをやる」
「この順番でやりなさい」
と、すべて大人が決めてしまえば、生徒はその通りに動くことができます。
一見すると、素直でよくできる子に見えるかもしれません。
でも、本当に大切なのはその先です。
誰も隣にいないとき
初めて見る問題に出会ったとき
思うような結果が出なかったとき
予定通りにいかなかったとき
そんな場面で、
「じゃあ自分はどうしたらよいのか」
を考えられるかどうか。
そこに、その子の本当の力が出ます。
大人の指示があるときだけ動ける子と、
自分で考え、試し、修正しながら前へ進める子。
将来、より大きく伸びるのは、後者であることは言うまでもありません。
失敗は、成長の出発点
私は、子どもたちに「失敗しない人」になってほしいとは思っていません。
むしろ、子どものうちにたくさん失敗してほしいと思っています。
勉強のやり方を失敗する
時間の使い方を失敗する
テスト前の計画を失敗する
自分で選んだ方法がうまくいかない
やればできると思っていたのに、思った結果が出ない
こうした経験は、決して無駄ではありません。
なぜなら、失敗をしたときに初めて、
どこがよくなかったのか
何が足りなかったのか
次はどう変えればよいのか
を本気で考えるからです。
うまくいかなかった経験があるからこそ、工夫が生まれます。
悔しさを味わうからこそ、次の行動が変わります。
つまり、失敗は終わりではなく、成長の出発点なのです。
大和塾の「挫折禁止」
大和塾では以前から、子どもたちに
「挫折禁止」ということをよく伝えています。
これは、「失敗するな」という意味ではありません。
失敗してもいい
間違えてもいい
思うような結果が出なくてもいい
ただし、そこで諦めて終わってはいけない。
なぜうまくいかなかったのかを考える。
やり方を変える。
もう一度やってみる。
必要なら人に聞く。
そして、また前に進む。
この積み重ねができる子は、必ず伸びます。
勉強ができるようになる子というのは、最初から何でもできる子ではありません。
できなかったときに、そこで止まらず、もう一回挑戦できる子です。
私は、子どもたちにそういう強さを持ってほしいと思っています。
学力だけではなく、生きる力にもつながる
こうした話は、勉強のことだけではありません。
自分で考える力
失敗しても立て直す力
人に助けを求める力
自分で選ぶ力
やり直す力
これらはすべて、将来社会に出たときにも必要になる力です。
私は今、キャリアコンサルティングについて学んでいますが、その学びの中でも改めて感じることがあります。
それは、「自分の人生を、自分で考え、自分で選んでいく力」の大切さです。
キャリア教育というと、「将来どんな仕事に就きたいかを考えること」と思われることが多いかもしれません。
もちろんそれも大切です。
しかし、それ以前に必要なのは、
自分は何が好きなのか
どんなことが得意なのか
どういうときに頑張れるのか
どんな選択をしたいのか
失敗したとき、どう立て直すのか
を少しずつ知っていくことではないでしょうか。
その意味で、子どもの頃の「小さな失敗」は、将来の大きな自己決定の練習でもあります。
大人の役割は「失敗をなくすこと」ではない
では、親や教師は何をすればよいのでしょうか。
私は、大人の役割は子どもから失敗を取り除くことではないと思っています。
本当に必要なのは、失敗しても立ち上がれるように支えることです。
すぐに答えを与えるのではなく、
「あなたはどう思う?」と聞いてみる。
すぐに助けすぎるのではなく、
少しだけ考える時間を待ってみる。
うまくいかなかったときに叱るだけでなく、
「次はどうしたらいいかな」と一緒に考える。
そうした関わりの中で、子どもは
「失敗しても大丈夫なんだ」
「考えれば次があるんだ」
「やり直していいんだ」
と学んでいきます。
これは甘やかしではありません。
むしろ、子どもを一人の人間として信じる関わり方だと思います。
「指示待ち」ではなく、「自分で動ける子」へ
今の時代、知識だけでは十分とは言えません。
もちろん基礎学力は大切です。
大和塾では基礎学力を重視しています。
覚えるべきことはしっかり覚えなければなりません。
しかしそれと同じくらい、
自分で考えて動けること
状況に応じて判断できること
人と関わりながら前へ進めること
失敗を経験に変えられること
も大切になっています。
これからの社会では、「誰かに言われたことだけを正確にこなす人」よりも、
自分で考え、選び、行動し、必要なら修正できる人
が求められていくはずです。
私は、大和塾をそういう力を育てる場所にしていきたいと思っています。
最後に
子どもたちの未来を考えると、つい「失敗しないように」と願ってしまいます。
けれども、失敗しない人生などありません。
大切なのは、失敗しないことではなく、
失敗したときに、そこから何を学び、どう立て直すか
です。
子どもたちは、失敗しながら成長していきます。
悩みながら、自分の考えを作っていきます。
うまくいかない経験を通して、本当の意味で強くなっていきます。
だからこそ私たち大人は、
子どもから「失敗する権利」を奪うのではなく、
失敗しても、もう一度前を向けるように支える存在
でありたいものです。
大和塾はこれからも、
子どもたちの学力を伸ばすことはもちろん、
自分で考え、自分で選び、自分で行動し、失敗してもまた立ち上がれる子
を育てていきたいと思います。
学習や進路についてお困りのことがありましたら、お気軽に大和塾までご相談ください。


